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中国鉄鉱石先物が最安値、ゴールドマン「鉄の時代は終焉」
2014年 09月 10日 14:31 JST

[シンガポール 10日 ロイター] - 10日午前の中国商品先物市場で鉄鋼と鉄鉱石先物が下落し最安値を付けた。ゴールドマン・サックスはリポートで、鉄鉱石市場が新たな局面に入ったと指摘した。
鉄鉱石価格は、大手資源各社からの供給が最大の買い手である中国の需要を上回る中、今年に入り38%も下落している。
ゴールドマンのアナリストのクリスチャン・レロング氏とアンバー・カイ氏は10日付リポートで「2014年は、新たな生産能力がついに需要の伸びに追い付き、利益率が歴史的平均に戻り始める転換点、言い換えれば鉄の時代の終焉だ」と指摘した。
スチール・インデックスのデータによると、中国向け鉄鉱石価格.IO62-CNI=SIは9日、2009年9月以来の安値となる1トン=8320ドルに下落した。
10日の大連商品取引所で鉄鉱石先物1月渡しDCIOcv1は一時1トン=570元(93ドル)まで下落し同限月の最安値をつけた。その後やや持ち直し0.3%安の587元で前場の取引を終了した。
ゴールドマンは、2015年の鉄鉱石価格予想は1トン=80ドルで据え置いたものの、2016年の予想は4%引き下げて79ドル、17年は8%引き下げて78ドルとした。
上海先物取引所の鉄筋先物1月渡しSRBcv1は一時1トン=2725元まで下げ最安値を付けた後、0.6%安の2780元で前場を終了した。
データ提供会社スチール・インデックスは月報で「中国鉄鋼価格の下落に歯止めがかかる見通しが立たず、銀行が製鉄業者に融資を渋る中、多くの鉄鋼メーカーにとってキャッシュフローが現実的な問題となり始めている」と指摘した。

http://sp.m.reuters.co.jp/news/newsBodyPI.php?url=http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0H50C820140910

実質GDPマイナス成長で反アベノミクス派は大喜び、でも内需は順調に拡大中の謎 2014/09/08
土居雅紹

実質GDPマイナス成長で反アベノミクス派は大喜び、でも内需は順調に拡大中の謎 2014/09/08

 「日本の4-6月期GDPが年率6.8%減 アベノミクス、完全に失敗!」
 「試練のアベノミクス 4~6月期GDP大幅減 頼みの個人消費も黄信号」
 「力強さ欠く個人消費…政府シナリオに狂い」
 消費税の反動減がある程度見込まれていたとはいえ、「実質GDPマイナス6.8%」という2014年4-6月期のGDP統計で、「デフレ大好き学者」、「反アベノミクスメディア」から「なんでも批判政党」までが俄然勢いを盛り返しているようです。一部大手メディアや外国メディアもここぞとばかり、アベノミクス批判を繰り広げています。
 しかし、内閣府が発表したデータを直接調べてみると、“識者”コメントの受け売りだらけの新聞報道とは異なり、「アベノミクスは結構うまくやっている」こと、「GDPをもっと増やすための課題は輸入削減にある」ことが見えてきます。
■“実質GDP”は生活実感と大きく乖離
 「最近、どの行楽地もレストランも混んでいる」
 「株価もまずまず、企業業績は順調」
 「不動産業者や人材派遣業者がものすごく強気」
 という皮膚感覚と、“GDP大幅マイナス成長”の差がどこから出るのか、GDPの推移を見てみましょう(図1)。
図1
(出所:内閣府)
 これをみると、確かに2014年の第二四半期はマイナス6.8%で、2008年のリーマンショックほどではないものの、2011年の東日本大震災直後に匹敵する落ち込みです。でも、この数字だけを見て喜んだり、悲しんだりしていては、受け売りメディアと同じ表層だけの理解にとどまってしまいます。
 実は、この数字には4つ“トリック”があります。
 まず、消費税の駆け込み需要で第一四半期(1-3月)がプラス6.1%だったので、その反動減です。1-3月に先食いで+6.1%と水膨れしているので、その分が減れば“大幅減”に見えてしまうという点です。
 加えてこの数字は“季節調整値”で、かつ“年率換算”されています。年末の書き入れ時となる第4四半期は例年GDPの数字が増えるので、それを数学的に平準化するのが“季節調整値”で既にモトの数字ではありません。だから消費税の駆け込みで、いつもは数字が低い第一四半期が多ければその分修正後の数字は大きくなります。また3か月分の数値を概ね4倍にしてみせるのが“年率換算”です。消費税の反動減は今年は1回しかないと分っていても年率にすると効果が4倍大きく見えます。
 4つめは、“実際の数字(名目GDP)ではなく、実質GDPというところ”です。実質GDPはインフレやデフレの影響を排除するもので、経済学者からみれば“正しい”数字でしょう。でも、実質GDPで行われる操作は、企業経営や投資、実際の生活実感とは相容れないのです。
 例えば、
 「え~、当事業部の売上は前年と同額ですが、5%デフレだったので実質5%増です!」
 と事業部長が言えば、まずクビになります。
 また、
 「貴方の運用リターンは+8%でしたが、インフレが3%だったので、実質パフォーマンスは5%。これで今期のボーナスを決めます」
 といわれたらファンドマネージャーは顔を真っ赤にして怒ることでしょう。
 日常生活でも、
 「ダイコンの値段が税込150円から154円になっても、消費増税分4円は財布から払っていないのと同じなので値上がりと考えるのは間違いです」
 といわれて、
 「へぇ~、そうなんですか」
 と納得するオメデタイ方はまずいません。
 また、ドル円相場の10年チャートを見るときも、TOPIXの推移を見るときも、インフレ・デフレを調整した数字は机上の空論に過ぎません。このため、投資を考える際にはそのままの数字を使います。さらに言えば、この“実質値”に換算するための係数(GDPデフレーター)も、「ハードディスクの性能が倍になったら価格が同額でも50%価格が下がったとみなす」といった数字遊び的な要素を含んだものなのです。
 つまり、「実質GDPマイナス6.8%」という新聞の見出しに出る“似て焼いて作った数字”は、アカデミックの世界では意味があっても、投資、経営、会計といった用途には使えないシロモノなのです。
■GDPのモトの数字でみたら「あれっ増えている!」
 実質ではなくそのままの数字を(名目)、季節調整や年率換算する前のものを見ると、どうしてもアベノミクスを批判したい一部マスコミの説明とは違い、実態は悪くなさそうです(図2)。
図2
(出所:内閣府)
 まず、メディア報道から受ける印象と異なるのが、“駆け込み需要があった第一四半期よりも第二四半期の方が多い”ということです。消費税増税や便乗値上げ、円安の影響も入っているのですが、企業の売上や公共投資、実際に消費者が財布から支払う金額はこの数字の方が実感に近くなります。
 さらに言えば、過去の同じ四半期の数値どうしを比較したが、季節的な要因の影響もなく、機械的な季節調整の年率換算なしに、経済の状況を正しく見ることができるはずです。そこで、リーマンショックの影響も一段落し、東日本大震災が起こる前の2010年の各四半期を基準として、対応する四半期の名目GDPとの差額をみたのが図3です。
図3
(出所:内閣府、eワラント証券)
 2010年の各四半期との差額を見ると、リーマンショック前の2008年は今より桁違いに経済活動が活況であったことが見て取れます。また、翌年の2009年各四半期の落ち込みが大きいことと、2011年の東日本大震災やその後も続いたデフレ政策が経済を痛めつけていた事も一目瞭然です。
 ところが、2012年末から始まったアベノミクスによって、2013年第一四半期には目に見えて落ち込みが小さくなっています。とはいえ、2014年第一四半期の駆け込み需要でようやく2010年の水準比でプラスに転じました。驚くべき点は、そこで需要を先食いしてしまったにも拘わらず、第二四半期は2010年の同時期よりも経済活動が活発であったことです。これを見るなら「アベノミクスで日本経済は順調に回復中」ということになり、メディアに溢れる報道と全く逆の結論になります。
■内需も輸出も順調に拡大中、GDPを増やしたいなら輸入削減が不可欠
 「実体経済が良い方向に進んでいるにも拘わらず、マスコミの受け売り報道に惑わされるな」というと、「ん…まだ信じられない」という声が聞こえてきそうです。そこで、名目GDP(修正前のモトの数字)の内訳を、2010年の各四半期との差額でみたのが図4です。
図4
(出所:内閣府、eワラント証券)
 まず目に付くのが内需合計額(白黒の斜線)の急拡大です。マスコミがなんといっても、デフレ願望学者が政権批判をしても、アベノミクス後の内需は急拡大しています。また、「消費税導入で消費者の財布の紐が固くなった」、「性急な増税で日本の景気が減速した」と特定の海外メディアが大喜びしても、実態はそうではありません。家計の消費(緑の棒グラフ)を見ると、消費税導入後に落ち込んだとはいえ2010年よりも高い水準で、消費者の財布から出ているお金はかえって増えていることになります。
 また、「アベノミクス第二の矢である財政出動はバラマキばかりで役に立っていない」という声があっても、政府最終支出(黄色に黒の斜線)と公的資本形成(オレンジに黒の横線)は、2013年第一四半期以降、内需拡大をしっかり支えています。「円安で輸出が増える時代ではない」「日本の産業構造が変わった」というのもちょっと的が外れています。確かに東日本大震災以降、日本企業の現地生産の加速、海外企業の日本離れが顕著とされていますが、図4の輸出(茶色)は着実に増加しています。
 それでも課題はあります。「TPPを導入し、国家の枠を超えて行こうというご時勢にGDPという指標に頼るべきか」という意見もありえます。しかし、GDPで株価が動き、国力の目安とされている以上、「内需拡大だけでなくGDPを増やすことも同様に重要」なのです。現在、日本のGDPを大きく増加させることへの最も大きな障害は輸入の急拡大(図4の赤字に黒横線のグラフ)です。せっかくの内需拡大を輸入が喰ってしまっているわけです(日本が世界経済の拡大に貢献しているとはいえます)。
 つまり、「GDPの計算上、どんなに内需が増えても輸入品を買えばGDPが減る」のです。簡単に言えば、GDP(国内総生産)=国内の経済活動+輸出-輸入です。だから輸出はGDPにプラス、輸入はマイナスになります。
 このため、現在輸入総額の1/3を占める鉱物性燃料(原油や液化天然ガス)の価格が上がって輸入代金がさらに増えれば、計算上、日本のGDPは目に見えて減ります。また、スマホを買うときに、国産のスマホを買えばGDPが増えますが、中国産のiPhoneや韓国産アンドロイド端末を買えばGDPは製品輸入で減ります(部品の日本からの輸出より製品代金の方が高いので)。もちろん、日本のメーカーのスマホでも、外国製で輸入価格が小売売上の過半を占めていればその分GDPは減ります。
 同様に、欧米から最先端の医療機器を買い、外国製の衣服を買い、外国産のワインを飲めば国内流通業者の付加価値を除いた輸入代金分GDPが減ることになります。また、どんなに再生可能エネルギーが高くついても、国産の太陽光パネルを使って鉱物燃料の輸入を減らせばGDPがその分大きく増加することになります。
■GDPの観点から投資を考えるなら
 輸出入とGDPに着目して投資を考えるなら、以下のようなイベントに注目すべきといえます。
◎原発再稼動:鉱物性燃料の輸入減に直結するので、GDP急上昇、日本株復活のきっかけになりえます。
◎石油、天然ガス価格の低下:直接的に鉱物性燃料の輸入代金が減るので、GDP増加、株高要因になります。
◎スマホの売上不振:スマホが行き渡り、価格が低下し、新機種を買うことがなくなれば、近年輸入額が急増していた外国産スマホの輸入が減りその分GDPが増えることになります。
◎中国の環境規制:現在大幅な貿易赤字となっている中国で環境規制が強化されれば、製品価格に転嫁され、中国からの衣類、電気機器、食品などの輸入が減り、一部が国産品に代替されれば日本のGDPが増える可能性があります。また、中国への環境関連の輸出も増えることが予想され、日本株にはプラス要因です。
◎米ドル・ユーロ・人民元・ウォンに対する円安進展:短期的な株高に加え、輸出企業の採算向上、連結決算への海外子会社の貢献拡大という中期的な影響もあります。さらに、輸入インフレによる名目GDP増加(=株高)に加えて、従来より時間がかかりそうですが輸入品代替・輸入抑制により、長期的にGDPが増加する要因になります。
◎防衛装備の輸入:政府がどんなに防衛予算を増やしても大部分が高価な外国産航空機の輸入代金に消えればGDPは減ります。すると回り回って株安要因になります。
◎消費税増税第二弾が1%づつ2回に変更:駆け込みと反動減が少なくなるので、実質GDPの数字操作によるマスコミや受け手の誤解が減り、増税が日本株にとってのかく乱要因となりにくくなります。

https://www.ewarrant.co.jp/posts/kiwameru/201409080930

ジェネリックが製薬界の想定超に伸びる理由
特許切れ新薬に頼る中堅メーカーに打撃
筒井 幹雄 :東洋経済 編集局記者 2014年09月09日

特許の有効期間が切れた新薬と同じ有効成分で作られ、価格は新薬の約2~6割――。ジェネリック医薬品(後発薬)が、急速に勢力を拡大し始めている。

政府は2014年度の診療報酬改定で、包括評価制度の対象であるDPC病院(大病院とほぼ同義)について、診療報酬に大きく影響する後発医薬品係数を導入。調剤薬局についても後発医薬品の割合に応じて報酬が上乗せになる「調剤体制加算」を強化した。要は病院、調剤薬局でジェネリックを使えば使うほど、収入が増えるようにした。

「12年度に30%」の目標は未達

ジェネリックの普及拡大は、医療費の財政圧迫軽減を狙った政策だ。もともと政府は2012年度までにジェネリックの数量シェアを30%にする目標を掲げていたが、実績は約25%と大きく未達。そのため、算式を変えた新基準で2017年度に同60%(旧算式では34.3%、2012年度比9ポイント弱向上)の達成を掲げ、その一環として今回の報酬改定を実施した。

この影響が製薬業界、特に特許の切れた新薬である「長期収載品」を持つ製薬メーカーに及んでいる。直近の2014年度第1四半期(4~6月期)は、長期収載品の数量が想定を超えて減少したのだ。

医師は投薬については「使い慣れ」を重視する傾向があり、同じ成分のジェネリックがあっても長期収載品を処方しがち。これまでは、調剤薬局も公定価格と卸からの仕入れ値の差である「薬価差益」が多く取れるため、医師の処方箋に従っていた。

ところが、調剤体制加算の強化を受けて、調剤薬局は処方箋に医師からの「ジェネリックへの変更不可」の指示がなければ、どんどんジェネリックを処方し始めた。大病院内の薬局も同じ。薬剤部が切り替えを始めている。

長期収載品への影響は製薬メーカーの規模を問わず同じだが、大手は海外事業の伸びでその穴を埋めている。直撃を受けているのは、国内主体で特に強力な長期収載品を持っている中堅だ。数量減もきついが、それ以外の影響もある。ジェネリック発売から5年後にジェネリックへの置き換え率が6割に満たない薬は、通常の薬価引き下げに加え1.5~2%の追加的な引き下げを薬価改定ごとに受けることになったのだ。

久光製薬が主力とする、消炎鎮痛貼付剤(モーラステープ)は市場シェア8割強。薬価改定で2%の追加的引き下げを受け、数量面でもジェネリックに侵食された。今第1四半期の売り上げは前年同期比約4%減。これを主因として久光単体の営業利益は前年同期比約3%の減益となった。「薬剤部、調剤薬局などもMR(医薬情報提供者)を回らせ、貼り心地を訴求する」と会社は言うが、通期計画に対する進捗率を見ると出だしの影響をカバーするのは難しそうだ。

持田製薬の屋台骨を支える高脂血症薬エパデールの落ち込みも業界を驚かせた。原料がいわしから抽出する油のため、その精製度合いによっては製品に影響が出る。よくあるジェネリックへの苦情は「におい」で、精製が不十分だと臭くて飲みにくい。

今回ばかりは勝手が違う

そのため、追加的薬価引き下げを受けるほどシェアは高く、これまで会社側の売り上げ計画は期初がだいたい慎重予想で終わってみると超過達成というのが定石だった。ところが、今期ばかりは勝手が違う。通期のエパデールは前期比10%減の計画なのに、第1四半期の対前年同期比減少率は10%を大きく上回っているもようだ。

久光製薬は売り上げが会社計画を下回っても、米国子会社の経費抑制で営業利益は計画を達成できそうだ。一方、そうした隠し球を持たない持田製薬は、増収減益(研究開発費増が理由)から売り上げ横ばい、減益幅拡大となる可能性が高い。

財政を考慮すればジェネリック普及促進が弱まることはない。長期収載品主体のメーカーは再編も含めて戦略の練り直しを迫られそうだ。

http://toyokeizai.net/articles/-/47461?page=2

世界で続く賃金大停滞
英エコノミスト誌 2014年9月6日号

先進国全体で賃金が停滞している。

各国の中央銀行はかつて、賃金の高騰を激しく批判していた。1970年代のような、物価と賃金がともにスパイラル的に上昇する破滅的な事態に逆戻りしないように、という先入観が常に働いていたのだ。ところが、金融危機以降、中央銀行は全く逆の悪循環を懸念してきた。賃金の停滞と、拡大するデフレのリスクだ。

 先進国ではここ数年、賃金の下落傾向が見られる。経済協力開発機構(OECD)が9月3日に発表した今年度の「雇用アウトルック」によれば、OECD加盟国では2010年から2013年にかけて、実質賃金(インフレ調整後)が横ばいだったという。

国・地域によって異なる賃金停滞の理由


 その間、米国はほとんど上昇していないし、ユーロ圏と日本では減少している。ポルトガルやスペインなど、問題を抱えるユーロ圏の周縁国の落ち込みが特に激しいが、英国もやはり急落している(図参照)。

 こうした急激な調整は痛みを伴ったが、基本的には避けることができなかった。

 というのも、実質賃金は長期的に見ると、生産性と同じペースでしか上昇しない。例えば2007年以降の英国のように生産性が低下し続ければ、実質賃金が下がるのもやむを得ない。

 一方、危機に見舞われたユーロ圏の国々は人件費を引き下げ、北方の加盟国に比べて弱くなった競争力を取り戻す必要があった(通貨同盟のせいで、通貨の切り下げという一般的な調整方法を取ることができない)。

 大部分の先進国――ただし英国とイタリアは例外――では、労働生産性は再び上向いている。また、米国や英国など一部の国では、高失業率による賃金引き下げ圧力も弱まっている(残念ながら、ユーロ圏では失業率がいまだに11.5%もある)。

 しかし、2009年後半に10%を記録した米国の失業率が6.2%まで低下したにもかかわらず、名目賃金(インフレ調整前)は大して伸びていない。危機以前は、民間部門の名目賃金の上昇率は年間3.5%前後だったが、現在は同2%にも満たない。

 英国も、失業率はピーク時の8.4%から6.4%に改善しているが、名目賃金の上昇率は年0.6%にすぎず、危機前の平均4%に遠く及ばない。

米国より英国の方が賃金の引き締め傾向が強いのは、労働力供給のトレンドの違いから説明できる。英国の労働参加率――成人の人口に占める労働者と求職者の割合――は前回のピークである64%弱まで戻り、さらに上昇の気配を見せている。これに対し、米国の労働参加率は金融危機以降3ポイント下落し、63%前後で推移している。

米FRB、追加緩和策決定 米国債6000億ドル購入
米連邦準備理事会(FRB)は金融引き締めのタイミングを計るうえで労働市場を注視している〔AFPBB News〕

 労働参加率の低さがどの程度構造的な問題なのかという点の解明は、米連邦準備理事会(FRB)が金利引き上げのタイミングを決める際に、極めて重要な要素となる。

 構造的な問題とは、つまり通常より弱い回復に起因する景気循環の影響ではなく、ひいては持続的な問題ということだ。

 FRBは名目賃金の停滞について、労働市場には、失業率の低下が示唆する以上の需給のスラック(緩み)が生じている証拠と捉えてきた。ところが、FRBのジャネット・イエレン議長は先頃、賃金の停滞は見せ掛けにすぎないかもしれないと発言した。

「抑え込まれた賃金デフレ」が解消されれば回復も?

 サンフランシスコ連銀が実施した最新の調査によれば、多くの雇用主は、労働者が名目賃金の引き下げに強く抵抗したため、危機の間、賃金を凍結していたという。労働者は、インフレにより自分たちの購買力が蝕まれることに対する以上に激しく、賃金引き下げに抵抗したからだ。

 不況時に賃金を下げることができなかった雇用主は、景気が改善した今も賃金を上げていない。しかし、この「抑え込まれた賃金デフレ」が自然に解消すれば、賃金が上昇を始める可能性もある。

 このような形で回復が期待できるのは米国だけではないかもしれない。OECDが3日に発表した報告書によれば、OECD諸国では、決して普遍的ではなかったが、名目賃金を下げることに消極的な傾向が広く見られるという。

 2007年から2010年にかけて、名目賃金が変わらない労働者の割合は大幅に増加した。例えば、スペインでは、賃金凍結を受け入れざるを得なかったフルタイムの労働者は2008年には3%だったが、2012年には22%まで増えている。

 日銀総裁として日本の最新のデフレ退治の取り組みに挑んでいる黒田東彦氏も、賃金低迷を懸念している。日銀は新たな量的緩和を実行し、紙幣を増刷して国債を購入した結果、これまでの中途半端な量的緩和以上に物価を上昇させることに成功した。しかし、賃金は停滞したままだ。

7月までの1年間の現金給与総額は2.6%増加したものの、これはボーナスの増加によるところが大きい。所定内給与は0.7%しか増えておらず、新たな量的緩和による物価の上昇率には遠く及ばない。黒田氏は最近、賃上げを協調的に促すために「見える手」を打つ必要があると発言している。

通貨同盟の縛りがあるユーロ圏は・・・

ユーロ圏15か国が景気後退入り、ユーロ導入以来初めて
ユーロ圏では、デフレのリスクが徐々に大きくなっている〔AFPBB News〕

 このような解決策は、ほかにやり方がない苦肉の策にも思えるが、独自の通貨を持つ日本では成功するかもしれない。しかし、同じくデフレのリスクが続くユーロ圏では意味をなさないやり方だ。

 ユーロ圏では8月までの1年間に0.3%しか物価が上昇していないが、通貨同盟の内部では、各国の為替レート変動の代替として、賃金を自由に上下する環境を整える必要がある。

 もしドイツの賃金が上がれば、相対的に競争力のない他のユーロ加盟国は、賃金引き下げによる調整の必要があまりなくなる。ドイツの中央銀行のイェンス・バイドマン総裁が賃上げを――インフレ警戒派が主流のドイツでは大胆なことに――求めているのはそのためだ。

 金利を引き下げたばかりの欧州中央銀行(ECB)も、2%近くというインフレ目標を達成するため、もっと大胆な策を打ち出すことができるはずだ。そうすればユーロ圏の弱った国々は、あからさまな賃下げではなく賃金の凍結によって競争力を回復できる。

 当然のことながら、賃金を重視しているのは中央銀行だけではない。賃金が低迷すれば所得税収や社会保障の拠出金が縮小し、政府が財政を立て直すのが困難になる。実質賃金が増えなければ家計の痛手にもなり、消費者は財布のひもを緩めない。賃金の引き締め傾向が終わらない限り、先進国が健全かつ持続可能な回復を実現するのは難しいだろう。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41677?page=3

日本にも押し寄せる「資源バブル終宴」の余波
原料炭価格はピーク時の半値以下に
2014年09月07日

豪州の炭鉱街で閑古鳥が鳴いている。IMF(国際通貨基金)のまとめによれば、かつて4%を誇った同国のGDP(国内総生産)成長率は、2%台まで減速。2014年の失業率も、2002年以後、最悪となる6%に達するとみられている。

背景にあるのは資源バブルの終焉だ。特に石炭価格の下落が足を引っ張る。

石炭は発電に使われる一般炭と、鉄を作るのに使う原料炭に分かれる。日系鉄鋼メーカーが使用する原料の指標である豪州産強粘炭の契約価格は、ピークだった2011年に1トン当たり330ドルをつけたが、2014年7~9月は同120ドルまで低下した。大和証券の五百旗頭治郎アナリストは「この価格では大半のサプライヤーは赤字だろう」と指摘する。

なぜ価格は暴落したのか


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価格下落の要因は2つ。中国の鉄鋼需要の伸びが減速していることと、豪州で原料炭の増産が続いていることだ。

2013年の中国の鉄鋼生産量は7億トンと、世界のほぼ半分に達している。ただ中国経済の減速を受け、足元の生産量は2014年1~7月実績で前年同期比5%の伸びにとどまっている。かつての年間2ケタ増という水準からすれば、大幅な鈍化だ。

だが、需要が伸び悩んでいるにもかかわらず、原料炭生産大手のBHPビリトン(英・豪)は競合を駆逐するため、増産を継続。同社の出荷量は2014年6月期に4510万トンと前期比2割増となった。

豪州の経済成長を引っ張ってきた資源価格が落ち込んでいることから、欧米の新聞はこぞって「資源バブルの終わり」を報じている。その余波が日本にも押し寄せ始めた。

特に影響を受けているのが、各国に資源権益を持つ総合商社だ。五百旗頭アナリストの試算によれば、総合商社大手5社は2013年度に原料炭がらみで合計870億円の減損を計上。「今期も数百億円の減損を計上する可能性が高い」(同)と分析する。

鉄鋼メーカーも原料安を喜べない

原料安の恩恵を受けるはずの鉄鋼メーカーも、環境は厳しい。鉄鋼業界の生産コストは原料炭と鉄鉱石の占める比率が高い。新日鉄住金が購入する原料炭の量は年間3000万トンに達し、日本の原料炭輸入量の4割を占める。

ところが、原料炭をはじめとした原料価格が下落していることを受け、自動車メーカーなど大口需要家からの値下げ圧力は高まっている。今下半期(2014年秋~2015年春)の販売価格は上半期(2014年春~秋)に比べ、3%程度の値下げで妥結したもよう。業界内では「原料安で得られるはずの恩恵は値引きでほぼ相殺された」(鉄鋼専門商社)とささやかれている。

こうした市況の悪化を受け、BHPビリトンをはじめとした大手資源メジャーは人員削減などのコストカットに着手。日系の大手総合商社も資源権益売却の検討に入ったとうわさされる。

中国の爆食を追い風に、資源バブルに踊った豪州や総合商社。今は宴の後始末に追われている。

http://toyokeizai.net/articles/-/47261?page=2

人材業界、人手不足時代到来で低迷から一転 “潤う” テンプ最高益、再編加速か

2008年のリーマン・ショック以降、市場規模の縮小が続いてきた人材サービス業界に「人手不足」の追い風が吹き、各社の業績が上向いてきている。
 総合人材サービス大手テンプホールディングスの2014年4-6月期連結決算の売上高は、前年同期比11%増の957億円、営業利益が44%増の56億円、純利益は74%増の34億円となった。同社は13年4月に、求人広告などを手掛けるインテリジェンスホールディングスを米投資ファンドKKRから510億円で買収した。買収の背中を押したのは12年10月に施行された改正労働者派遣法。派遣先企業は規制強化を懸念して直接雇用に切り替えるなど「派遣離れ」が進み、人材サービス業界は極端に少なくなったパイを奪い合う状態となった。テンプは連結売り上げの8割を人材派遣で稼ぐ。転職支援など人材紹介は手薄で、求人広告は手掛けていなかった。人材派遣事業以外にシフトするため、巨額資金を投じてインテリジェンス買収という大勝負に出た。

 この賭けは勝負は吉と出た。景気回復に伴い、事務系や技術者の人材派遣や紹介サービス需要が拡大。4-6月決算でみると、主力の人材派遣事業の売り上げは9%増の671億円、セグメント営業利益は10%増の32億円となり、派遣スタッフの社会保険料の増加や業務の繁忙による人件費増を吸収して好調に推移した。

 利益を大きく積み上げたのは買収したインテリジェンスの事業だ。転職サービス(DODA)、再就職支援サービス(an、salida)などのキャリア事業の売上高は79億円と、派遣事業に次ぐ第2の柱となった。セグメント営業利益は17億円と、ほぼ倍増した。15年3月期(通期)の見込みは、売上高は8%増の3900億円、営業利益は13%増の210億円となり、4期連続で最高益を更新する見通しだ。中期計画では、17年3月期の売上高5000億円、営業利益300億円という強気の数値目標を掲げているが、好決算が引き金となり、8月25日の株価は上場来最高値の3840円をつけた。テンプは人手不足で最も潤った企業の一つとなった。

●大都市では3社に1社が人手確保に苦慮


 厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.10倍で、1992年6月(1.10倍)と並ぶ高水準だ。都道府県別で最も有効求人倍率が高かったのは東京都の1.62倍で、売り手市場となった大都市では人手不足が企業経営者の悩みのタネとなっている。

 では、どのくらいの数の企業が人手不足なのか。リクルートワークス研究所の調査によると、今年4-6月のパートやアルバイトの採用で、必要な人材を確保できなかった企業は30.5%に上った。正社員の中途採用で必要数を確保できなかった企業も32.1%に達し、景気回復の途上で3社に1社が人手確保に苦慮していることを示している。なかでも小売業(43.8%)と飲食サービス業(42.4%)は、「仕事の大変さに比べて給与水準が低いことが敬遠され」(同研究所)、パート・アルバイトを確保できなかった。

●業界再編加速か


 こうした背景が、人材派遣会社への派遣要請が増える要因となっている。縮小してきた人材派遣市場は底を打ち、上向きに転じ、長い冬の時代から抜け出す絶好のチャンスを迎えた格好となったが、そもそも人材派遣会社自体が人手不足で苦しんでいる。テンプ傘下のテンプスタッフが運営する求人検索サイト「ジョブチェキ!」上に表示される求人数をみると、年初の約1万人程度から9月には8割増となり1万8000人を超えている。これに対し仕事を求める派遣登録者数は、3割前後しか増えておらず、需給ギャップが広がっている。このギャップを埋めるために、派遣各社はOAや語学、専門事務など分野ごとに派遣登録者のスキルアップを支援することで、囲い込みを図っている。

人材サービス業界における大きなニュースとしては、大手のリクルートホールディングスが10月にも東証1部へ上場する。リクルートは海外に軸足を移しており、人材派遣事業の売上高6124億円のうち国内は前期比4.4%増の3586億円(14年3月期)。これに対して、テンプの14年3月期の売上高はインテリジェンスの買収効果で3624億円と47%の増収。リクルートの国内売り上げを上回り、国内トップに立った。3位はパソナグループの2086億円(14年5月期)。これを世界の3強であるアデコ(スイス)、ランスタッド・ホールディングス(オランダ)、マンパワーグループ(米国)の日本法人が追う展開となっている。

 人材派遣事業はリーマン・ショック後、売り上げが激減し、回復が遅れていた分野だ。リクルートは海外企業の買収を加速させ、テンプはインテリジェンスを買収して総合人材サービスに変身した。これまで人材サービス業界はM&Aを重ねてきたが、景気回復による日本企業全体の人材不足を受け、さらに再編は進むとの見方が強い。
(文=編集部)

http://biz-journal.jp/i/2014/09/post_5969_entry.html

マクドナルド8月売り上げ 最大の落ち込み
9月9日 16時03分

マクドナルド8月売り上げ 最大の落ち込み
日本マクドナルドの先月の売り上げは、中国・上海の食品加工会社が使用期限切れの食材を加工していたとされる問題の影響で来店客が減少したことから、前の年の同じ月に比べて25.1%の大幅な減少となり、1か月間としては会社の株式が上場した平成13年7月以来、最大の落ち込みとなりました。

「日本マクドナルドホールディングス」が9日発表した販売実績の速報によりますと、先月の売り上げは既存店どうしの比較で前の年の同じ月に比べ25.1%の大幅な減少となりました。
減少幅は月ごとの売り上げとしては会社の株式が上場した平成13年7月以来で最大だということです。
また、来店した客の数も前の年の同じ月に比べ16.9%減少しました。
これについて日本マクドナルドはことし7月に中国・上海の食品加工会社が使用期限切れの食材を加工していたとされる問題が明らかになって以降、鶏肉を使った商品の売り上げが低迷したことや、鶏肉をタイ製に切り替えてからも一時、仕入れが追いつかず販売できない商品が出たことなどが要因だとしています。
中国・上海の食品加工会社の問題を受けて、日本マクドナルドは原材料の情報を公表するなど、信頼回復に向けた取り組みを進めていますが、業績に大きく影響する形になっています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140909/k10014466031000.html

不振グリー、なぜヒット作が出ない?崩れた必勝パターン、新事業連発に社内外から疑問の声
2014/9/6

ソーシャルゲーム大手のグリーが、新事業の展開を加速させている。
 5月にバッグ類中心のブランド品買取サイト「uttoku by GREE」を開設したのを手始めに、6月に会員型ホテル当日予約アプリ「Tonight」、7月に台所、浴室など住宅設備の定額制リフォームサイト「いえプラス」を開設した。さらに、8月に入ると12日に介護施設の検索サイト「介護のほんね」、13日に訪問型保育マッチングサイト「スマートシッター」を相次ぎ開設している。また、Tonightには8月からカップル向けホテルの当日予約アプリ「Tonight for Two」(すでに終了)を追加している。同社関係者は「年内にあと5~6件の新事業開始を予定している」と明かす。

 こうしたグリーの新事業展開について、インターネット業界関係者からは「よくいえば保育から介護、宿泊までと多彩だが、新事業間の相乗効果は薄く、本業のソーシャルゲームとの関連性は不明」との声も聞こえてくる。

 新事業ラッシュの背景には、グリーの業績不振がある。同社が今月13日に発表した2014年6月期連結決算は、売上高が前期比17.5%減の1255億円、営業利益が同28.0%減の350億円、最終利益が同23.0%減の173億円で、2期連続の減収減益。15年6月期第1四半期(14年7-9月)も前期比減収減益が続く見通し。このため、同社は今期(15年6月期)の通期見通しを示さなかったが、「赤字転落が濃厚」と予測する証券アナリストが少なくない。

 前期は1年間で約40本の新作ゲームを開発したもののヒット作は出ず、人気があった既存ゲームも飽きられ、ユーザ離れが進んだ。グリーは「ゲーム事業はヒット作の有無で業績が大きくぶれる。こうしたばくち的な事業体質から抜け出すためにゲーム以外の事業育成が不可欠になった」と説明している。

●ソーシャルゲーム大手の必勝パターン


 12年に社会問題化した「コンプガチャ問題」でつまずくまで、『探検ドリランド』をはじめとする数々の人気ゲームを量産していたグリーから、なぜ急にヒット作が出なくなったのだろうか。

 ゲーム業界関係者は「携帯電話向けソーシャルゲームで急成長した同社は、その成功体験にこだわり、スマートフォン(スマホ)向け対応が遅れたためだ」と、次のように説明する。

 携帯電話の普及を背景としてソーシャルゲーム市場が形成されたのは、08年から09年だった。そこへいち早く進出し、成功を収めたグリー、ディー・エヌ・エーなどソーシャルゲーム大手には必勝パターンがあつた。

 ニーズを発見したら3週間程度で試作品レベルの自社オリジナルゲームを開発し、迅速に市場投入する。そして、ユーザの反応を見ながら修正を繰り返し、完成度の高いゲームに仕上げてゆく。そうしてヒット作にしたら、今度はそのヒット作を「ガンダム」「ワンピース」など他社の既存人気コンテンツのゲームにアレンジし、次々と「新作」として売り出す。ゲームの仕組みは同じでも、それを多種多様なコンテンツ上に展開することで「多種多様なユーザ」をゲームに取り込めるというわけだ。

しかも、ゲームの基本システムはオリジナル版もアレンジ版も大差はないので、ゲーム1本当たりの開発費は1000万円程度。開発期間も3カ月程度で済んだ。ゲームもユーザがネット上からダウンロードする仕組みなので、広告宣伝に費用をかけても全体の販売コストは低い。ゲームが1本ヒットすると、そのゲームから毎月多額の営業利益が生まれた。

●遅れたスマホ対応


 そんなソーシャルゲーム事業の旨味が、スマホの普及で消滅した。

 携帯電話向けゲームはデータダウンロード型だが、スマホ向けゲームはアプリダウンロード型。例えば携帯向けの場合は、ユーザが遊ぶたびにゲーム会社のサーバから必要なデータをダウンロードする。対して、スマホ向けの場合は、画像、音声などゲーム構成に必要な全データをソフトウェア化したアプリを、ユーザは事前にダウンロードしてから遊ぶ。  

 スマホの画面は携帯より大きく精細なので、スマホ向けゲームには携帯向けよりリアルな画像と迫力のある音源が要求され、会社側にとっては家庭用ゲーム機向けソフト同様の開発工程、開発期間、開発費が必要になる。しかも、1本のゲームもスマホの主流OS、iOSとAndroidの2種類向けに開発する必要がある。このため、ゲーム1本当たりの開発費は、それまでの1000万円から5000万~1億円へ増え、開発期間は3カ月から9カ月~1年へ延びた。ソーシャルゲーム事業を携帯向けからスマホ向けにシフトするためには、工程管理を含め、ゲーム開発体制を根本的に変えなければならなかった。

 それだけではない。これだけ巨額の費用をかけて新作を開発しても、それがヒットする保証はどこにもない。スマホ時代になると、ソーシャルゲーム事業はリスキーな事業になり、携帯向け時代に確立した必勝パターンは通用しなくなった。グリーはこうした環境変化に戸惑い、スマホ対応が遅れたといわれている。

●市場からは冷めた見方も


 グリーは14年6月期連結決算説明会の席上、前年度1年間で約40本の新作ゲームを開発しながら1本もヒットしなかった理由について、「(ヒット作を生むためには)打率向上(開発力強化、開発工程見直し)×打席数増加(開発本数増加)が重要だが、前期は打率向上が不十分だった」と反省。そして「これまで300人体制だったスマホ向けゲーム開発人員を今期中に一挙1000人体制へ拡大、ゲーム事業の業績巻き返しを図る」と説明した。

 もちろん、体制強化によりヒット作が生まれる保証はないが、そこでソーシャルゲームに次ぐ事業を早急に打ち立てるため、今年の新事業開始ラッシュにつながっている。
グリーの関係者は、同社内の動きについて次のように打ち明ける。

「今年1月から田中良和社長が急に『総合インターネット企業への飛躍』を言いだし、社内は『リアルビジネスのネット化』ができる事業を探せと大騒ぎになった。そして今年4月、新事業の社内公募を行い、全社員約1800人から150件ほど集まった企画の中で、役員プレゼンに合格した案件が順次事業化されている」

また、別の関係者は「いつも通りの急な社長命令で、みんな思い付きで出した企画。提案者にとっては新事業でも、世の中的にはみんな手垢のついた既存事業。それらに少し手を加えて、リアルビジネスのネット化らしい事業コンセプトをこしらえた。脈絡がないといわれても仕方がない」と自嘲気味だ。

 こうした内情も漏れているためか、新事業に対する株式市場関係者の反応は厳しい。実際、ネット業界担当の証券アナリストは、こう冷めた見方を示す。

「ゲーム事業の落ち込みをカバーできる新事業をわずか1~2年でつくるのは、いくらスピード感の速いネット業界でも難しい。グリーがすでに開始している新事業も類似既存事業と比較すると、いつ、どの程度収益化できるかは予測不能。これでは業績改善策と評価できない」

「総合インターネット企業への飛躍」を掲げて打ち出した新事業だが、田中社長は「逆境こそ、わが社の歴史」(「日経ビジネス」<日経BP社/14年3月3日号>より)と手綱を緩めるそぶりは見せないが、「逆境」はしばらく続きそうだ。
(文=福井晋/フリーライター)

http://biz-journal.jp/i/2014/09/post_5935_entry.html

雪国まいたけで創業家と外部出身者の内紛勃発 創業者を直撃
2014.09.03 07:00

キノコ生産大手「雪国まいたけ」(東証2部上場)が、ほのぼのとした響きの社名に似つかわしくない経営バトルを繰り広げている。

 この10か月の間に2度の社長交代。そこには「中卒叩き上げのワンマン創業オーナー」と「利益とコンプライアンスを重視する外部登用のエリート経営陣」の間の埋めがたい深い溝があった。

「動議、動議。議長交代!」

 6月27日10時、新潟・南魚沼市のホテルで開かれた株主総会は冒頭から動議の連呼だった。

 社長の星名光男が議長席に就こうとすると「議長交代」の動議がかかった。規定に従って別の取締役が議長席に座ると即座に「動議」。全役員の議長就任が退けられると、株主から議長が選ばれることになった。

 怒号飛び交う中、立ち上がって議長席に向かったのは、前社長で、過半数の株式を握る創業オーナーの大平喜信だった──。

 大平は新潟県六日町(現・南魚沼市)の貧しい農家の長男として生まれた。中学卒業後、工場勤務などを経て「太もやし」の栽培に取り組むが、一家心中を考えるほどの極貧を味わう。

 その後、人工栽培が難しい高級品種「まいたけ」に挑んで成功し、1983年、35歳で「雪国まいたけ」を創業、まいたけを低価格で提供した。現在、まいたけのシェアは国内で50%以上を誇る。

 大平は裸一貫から会社を年商約300億円、従業員数約1900人、東証2部上場まで育て上げた立志伝中の人物だ。地元の南魚沼市内に13階建ての自社ビルを建設し、20部屋もある豪邸を建てた。

 右肩上がりの業績と、高度な栽培技術と、食の安全への絶対的な自信。その半面、「公私混同」「超ワンマン経営」が指摘され、冒頭の迷走へと繋がった。

「混乱のきっかけは、2010年9月、大手自動車メーカーで最年少役員になった東大卒エリートのA氏を役員に迎え入れたこと。大平さんに学歴コンプレックスがあったからか、A氏への信頼は厚く、経営の多くの権限をA氏に委ねた」

 と同社幹部は話す。A氏は経営合理化の名の下に人事権を握って次々に組織を改編していった。だが、それが同社プロパーの幹部の目には「農業もキノコ栽培も何にもわかっていない」と映った。

「あわてた大平さんはA氏の権限を取り上げ、2013年6月の株主総会で退任させることにした。すると、A氏は反撃に出た。

 あらゆる経営データにアクセスする権限を与えられていたので、大平社長を退任に追い込むために、過去の不正経理の情報を金融庁、東証、取引銀行に内部告発したのです」(同前)

その後の証券取引等監視委員会の調査では、土地やビルの減損処理が不適切だったことや2012年3月期配当が違法状態であったことが明らかになる。同社が設置した社内調査委員会は、昨年11月5日、こんな報告書を発表した。 「強くなりすぎた(大平の)リーダーシップが組織を軽視する行動や過度の目標設定につながり、不適切な会計処理を招くに至った」

「(大平の)進退の是非を含む相応の責任の取り方を自ら考え頂く」

 事実上、大平に引導をわたす内容だ。同日、大平は創業から勤め続けた社長の椅子を明け渡した。継いだのは、流通大手「イオン」元専務の星名光男だ。

 星名は前述のA氏が退任した後、大平が「別の経営の専門家が必要」と白羽の矢を立て、外部から招聘した人物である。

 不正経理が行なわれた後に取締役に就任し、不正に関わっていないという理由で社内調査委員会委員長に就き、そのまま横滑りで社長に就任した。A氏と同じく「外部出身のエリート経営者」だった。

 同社は2期連続の赤字だったものの、星名の手腕で2014年3月期には黒字転換を果たした。同時に星名はコンプライアンスの徹底と大平の影響力排除に努めた。上場を維持するために東証に「創業家の影響力を徐々に排除していく」旨の経営改善報告書を提出し、社内にコンプライアンス委員会を設置した。

 そうした中で開かれたのが冒頭の株主総会だった。

 大株主の権利を行使して議長席に座った大平はざわめく出席者をよそに堂々と事業報告を読み上げた。

 そして星名を含む取締役8人を選任する案は否決され、新たに大平側が用意した大手自動車メーカー「ホンダ」元専務の鈴木克郎が社長に就任し、同じくホンダ出身者や日銀元政策委員会審議委員などが役員に就いた。

 創業家一族がメインバンクや他の株主にも根回しせずに会社側提案を否定した「役員一斉交代劇」は上場企業では前代未聞。経済界に衝撃が走った。

 前出の幹部はこういう。

「“叩き上げ”の大平さんはキノコに強烈なこだわりを持ち、会社に愛着がある。一方、外部出身のエリートは“経営のプロ”を自任しているので、利益とコンプライアンスを優先し、コストカットやリストラも躊躇なく行なう。そうした両者の意識の差が埋まらないことが、長引く混乱の原因だ」

(文中敬称略)

http://www.news-postseven.com/archives/20140903_274153.html?PAGE=1#container

"GDP想定外ショック"で綻ぶ日銀シナリオ
黒田日銀のシナリオに狂いはないか
山田 徹也 :週刊東洋経済 副編集長 2014年08月31日

金融政策決定会合の後に開かれた8月8日の記者会見。日本銀行の黒田東彦総裁の応答がいつもの様子とは異なると、金融関係者の間で話題になった。会見では主に、日銀の景気回復シナリオと、足元で弱い数字がそろい始めている経済指標との乖離について、やり取りが交わされた。たとえば、こんな具合だ。

「輸出は円安になったにもかかわらず増えない。これは日銀の想定外の動きと見ているのか」

「輸出が弱めになっている一時的な要因は剥げ落ちつつあり、(中略)世界経済の成長が加速していく中で日本の輸出も緩やかながら増加していく」

答えが延々と長く続く割に、中身がない──。あるエコノミストは、「日銀シナリオと経済指標とのギャップをどう埋めるか、そうとう苦慮しているのではないか」と、黒田総裁の胸の内を推測する。

想定を上回るGDPの落ち込み


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黒田日銀にとって悪いニュースとなったのが、その5日後の13日に公表された4~6月期の四半期GDP(国内総生産)速報だ。

実質GDPは年率マイナス6.8%で、1~3月期の年率プラス6.1%から大きくダウン。今年4月の消費増税による駆け込み需要とその反動減の振幅は、政府やエコノミストの大方が当初に想定したよりも大きかった。

速報後の記者会見で、甘利明・経済財政担当相は大幅ダウンの「釈明」に追われた。「従来の駆け込み需要、それによる反動減という範囲の中。これまで駆け込み需要で伸びて、反動減で下がっている。それを受けて次(7~9月期)がかなり上昇するのは間違いない」と述べたが、さすがに苦しさは否めない。

エコノミストの多くは7月初めまで、4~6月期のGDPの落ち込み幅をマイナス3~4%台と見込んでいた。それがわずか1カ月でマイナス6.8%の大幅な下方修正。消費増税の反動減は、なぜここまで大きくなったのか。

国内消費の弱さ

一つはGDPの約6割を占める国内消費の想定以上の弱さだ。円安で輸入物価が上昇していたのに加え、消費増税が物価をさらに押し上げ、消費にダメージを与えた。

民間最終消費支出は前期比マイナス18.7%と大きく落ち込んでしまった。JPモルガンの足立正道シニアエコノミストは、「これほどの落ち込み幅はオイルショックの1974年以来。日本経済の実力がどれほど脆弱か。もっとしっかりと認識すべきだ」と指摘する。


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当初、4月からの消費増税の影響については、1997年の増税時よりも雇用や所得環境はよく、それほど大きくはないとの見方が存在した。

しかし、シティグループ証券の村嶋帰一マネジングディレクターは、「問題は名目賃金ではなく実質賃金。1997年の増税時と比べると、今回のほうが実質所得の落ち込みははるかに厳しかった」と語る。

アベノミクスが始まって以降、円安が進み、実質賃金は前年比マイナスの領域で推移している。多少の賃上げやボーナス支給があったとしても、それ以上に物価が上昇し、消費者の懐は豊かになっていない。

日銀にとってもう一つの誤算は、円安による輸出の回復、というシナリオが修正を迫られていること。

これまで「横ばい圏内の動き」としていた実質輸出について、ついに8月の金融経済月報で「弱めの動き」と表現を下方修正。「一昨年来の大幅な円安にもかかわらず、輸出が増えなかったことこそ最大の想定外であり、景気がぱっとしない背景の一つ」(村嶋氏)。

7~9月はどこまで回復?

今後の焦点は、7~9月期にどこまで回復するかだ。11月から12月にかけて速報と確報が公表される7~9月期のGDP次第では、年末に判断することになっている、税率10%への消費税再増税の先送りもありうる。

だが、谷深ければ山高し。今のところのコンセンサス予想は、年前半より高めの4.08%の見込みだ。

「数字が何%になるかもさることながら、問題は中身。消費は回復し、設備投資も輸出もおそらく増えるだろう。在庫がそうとう積み上がっており、需要があっても生産が伸びないと、巡り巡って景気を悪くしてしまう心配はある。だが、4~6月期に駆け込みの反動減は、出尽くしたのではないか」(野村証券の桑原真樹シニアエコノミスト)との見立てである。

ただ、生産や設備投資に関する足元の指標は、強弱感が交錯している。6月の鉱工業生産は前月比3.4%マイナス。6月の機械受注(船舶・電力を除く民需)も8.8%のプラスと、ともに市場予想を大きく下回った。一方、日本政策投資銀行が8月に発表した2014年度設備投資計画調査によると、企業の国内設備投資は前年比15.1%増と大きな伸びの見込みだ。

「輸出や消費が弱くても、設備投資だけは緩やかに伸びていって景気を支えてくれる、というのが市場のコンセンサス。だが、そこが実は違うとなると、景気シナリオは根本的な再考を迫られる」(村嶋氏)

日銀による前例のない質的量的緩和がスタートして1年余り。一種のショック療法が人々の期待を変え、賃金上昇や設備投資に火が付き、持続的成長に結び付く──。今年後半、このシナリオの持続性が問われることになる。

http://toyokeizai.net/articles/-/46711

8月のアベノミクス崩壊を救った黒田日銀の価値を
安倍官邸はわかっていないのではないか
2014年08月26日

市場発で崩壊リスクが高まっていた「アベノミクス」という政策シナリオを、黒田日銀が市場介入の連発で救ってみせた。

黒田日銀総裁は珍しく満面の笑み

その働きは、東日本大震災以来の大幅な落ち込みとなった今年4~6月期の実質GDP(国内総生産、第1次速報値)の発表(8月13日)で急落しかねなかった株式相場を、量的緩和の一環であるETF(上場投資信託)の大量購入によって買い支え、逆に「9営業日連騰」という大相場を演出しただけではない。円安基調の持続と長期金利の低下をも促す八面六臂の活躍で、アベノミクスの延命に成功したというのである。

しかし、市場を短期的に買い支えることができたからと言って、消費増税に喘ぐ実体経済をテコ入れができる保証はないし、介入の副作用も小さくない。米FRB(連邦準備理事会)の足踏み状態を見ても明らかなように、黒田日銀のこうした異次元の金融緩和は、金融政策を平常の状態に戻す「出口戦略」を難しくするリスクを伴う“麻薬”だからだ。

果たして、それほどまでして中身の乏しいアベノミクスを支え続ける大義があるのか。異次元の金融緩和を断行する黒田日銀の本当の狙いはどこにあるのか。疑問は尽きない。

「7~9月期から景気は回復する。日銀の見方は変わっていない」「雇用や所得の改善で個人消費の底流はしっかりしており、企業収益もよい」――。

黒田東彦日銀総裁は22日、米カンザスシティ連銀がワイオミング州ジャクソンホールで開いたシンポジウムに出席した。その折に、珍しく満面の笑みを浮かべて記者団の取材に応じ、こう答えたという。

首を傾げたくなるが、日本では、4~6月期の実質GDPが年率換算でマイナス6.8%と予想を大きく上回る落ち込みとなったにもかかわらず、黒田総裁は日本経済を楽観視する姿勢に変化がないと主張した。同総裁は、物価目標の達成に自信を持っていると述べただけでなく、市場が切望している追加の金融緩和策についても、仮に目標達成が困難な場面に遭遇することがあれば「躊躇なく政策を調整する」とリップサービスを忘れなかったらしい。

株価9連騰は日銀のETF買い出動がききっかけ

もともと黒田日銀は、「アベノミクスの3本の矢」のひとつである「異次元の金融緩和」を担う立場にある。その観点から見れば、4~6月期のGDPの大幅なマイナス転落という危機を過小評価してみせること自体は驚きに値しないかもしれない。

しかし、黒田総裁がいつになくご機嫌で自信に溢れていたのは何故だろうか。

筆者は、その謎を解くカギのひとつが8月初めからの株式相場の動きにあったと考えている。というのは、それほど見事に、株価下落をきっかけにしたアベノミクスのシナリオ崩壊という危機を、黒田日銀がボヤ程度で終わらせることに成功したからである。

ここで振り返りたいのが、8月上、中旬の株価の動きだ。まずは、4~6月期のGDPの発表を5日後に控えた8月8日(金曜日)のこと。日経平均株価は前日比で454円安と急落し、終値はほぼ2カ月ぶりに1万5000円を割り込んだ。対ロシア経済制裁やエボラ熱感染拡大、米国のイラク空爆といった問題が大きく報じられ、日本経済の先行きに対する不安が一気に高まったからだ。

ところが、この日を境に、株式相場はがらりと様相を変えた。21日まで9営業日の続伸となり、800円を超す上げ相場となったのである。9連騰は昨年12月下旬以来のことで、日経平均株価も3週間ぶりに1万5500円台を回復した。

見逃せないのは、市場に「(この過程で)相場の流れを作ったのは日銀だ」という見方が存在することだ。どういうことかというと、日銀は異次元の金融緩和策の一環として、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった株価指数に連動するETF(上場投資信託)を積極的に購入していたのだ。ウクライナ危機などのリスクが高まり、株式市場が調整色を強めたのを見て、日銀は8月初めから連日のように買い出動。合計で900億円前後のETF購入を断行したというのである。これが外国人投資家を中心とした売りに買い向かう形になり、下げ相場の加速を抑えただけでなく、買い方の出動を促して相場反転のきっかけを作る役割を果たしたとされている。

普段ならば大きく株価が下げるまでETF買いに出動しない日銀が、今回はそれほど下げなくても積極的に買いに回るのを見て、市場関係者は今年度中の残りが3000億円程度とみられていた買い入れ枠の拡大に踏み切るのではないかといった期待を膨らませ、買い方が勢い付いたと日本経済新聞は報じている。

消費税10%への援護射撃?

日銀が大胆な介入をしたのは、株式市場だけではない。債券市場では、毎月、国債発行額の約7割に相当する額を買い上げている。これがゆうちょ銀行やかんぽ生命が溜め込んでいた長期国債の売却と外債への乗り換えを可能にし、長期金利全体の低下を促した。

そして、長期金利が上がり始めれば、追随して反転してもおかしくなかった円安相場を継続させる効果も果たしたのだ。

株式、債券、為替の3つの相場に対する日銀の介入は、それぞれの市場の堅調相場を支えただけでなく、相互に好影響を与えた。もし、4~6月期のGDPの発表を受けて、3つの相場が暗転していれば、アベノミクスが掲げる成長シナリオが跡形もなく崩壊しても不思議がなかっただけに、アベノミクスの一翼を担う黒田総裁が自らの介入の効果に気を良くするのは理解できないことではない。

そもそも黒田総裁は財務省の出身だ。その古巣の財務省は、10%に税率を引き上げる追加の消費増税実現を至上命題にしており、経済の先行きが不透明になれば、安倍政権に予定通りの増税実施を反故にされかねないと懸念する立場である。その意味では、黒田日銀の獅子奮迅の活躍の本当の狙いは、アベノミクスの延命にとどまらず、シナリオの存続を前提にした消費増税の円滑な実施への援護射撃なのかもしれない。

余談だが、巨額の財政赤字がある以上、増税は避けて通れない。個人的に、その点に異論を挟むつもりは毛頭ないが、増税とセットのはずである「社会保障と税の一体改革」に手を付けず、直間比率の見直しなど抜本策を抜きに法人税減税のみをつまみ食いしようとする官邸の姿勢をみると、黒田日銀の援護射撃の価値をわかっていないのではないかと不安を覚えざるを得ない。

それでも実体経済は別

話を戻すと、市場と違い、実体経済を簡単に買い支えられると考えるのは早計だ。

先々週の本コラムでも指摘したが、あまりにも大きかった4~6月期のマイナスの反動で、7~9月期のGDPがプラスに転じることはまず間違いないとみられている。

しかし、これは、ある種の数字のマジックに過ぎない。7~9月期が、黒田総裁が自信たっぷりに語ったように、継続的な景気回復の出発点になるという見方は、楽観的過ぎる予測ではないだろうか。

むしろ、10~12月期にGDPが再び落ち込み、7~9月期は「反動の反動」とか「数字のマジック」に終わる予測にこそ、リアリティがあると筆者は考えている。というのは、楽観論は、米国や欧州、中国といった外需の回復や、増税などに伴う実質所得の目減りを軽視した個人消費の急回復などを根拠にする議論が目立つからである。

その一方で、異次元の金融緩和の継続・拡大には、2つの大きなリスクがあることも忘れてはならない。その第一は、効果の有無の議論はさておき、デフレという深刻な病に陥った経済を健全化するまでの間のカンフル剤として用いた異次元の緩和だが、いったん使い始めるとなかなか手放せない麻薬や危険ドラッグのような厄介な側面があるということだ。

そのことは、就任前から異次元緩和の早期縮小を目指す“ハト派”だったイエレン米FRB議長が、いまだに利上げ時期の示唆など明確な出口戦略を打ち出せずにいることでも明らかだ。

加えて、安倍政権が発足以来、異次元の金融緩和と機動的かつ大胆な財政出動(バラマキ財政)の二つに依存して、肝心の実効性のある成長戦略作りを怠ってきた問題もある。

「良薬口に苦し」という。黒田総裁がリップサービスをした追加の金融緩和を含めて、これ以上の異次元の金融緩和への依存は、将来の金融政策の正常化だけでなく、現政権の健全な成長戦略作りも危うくしかねないーー。黒田総裁には、そろそろ、そんな警鐘の発信こそ期待したいところである。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40232

2014年08月24日
【驚愕】代ゼミの恐るべき先見性。予備校から不動産会社に華麗な転身か。既に実績多数。

河合塾、駿台予備校とともに「予備校3大大手(SKY)」と呼ばれる代々木ゼミナール。
そんな代ゼミが、全国27校舎のうち7割に当たる20校舎を閉鎖し、数百名の講師の希望退職も募るというニュースが報じられた。
これを受けてソーシャルメディアでは「代ゼミヤバい」「代ゼミ死亡」などと書き立てられているが、実は代ゼミは30年前から今の少子化を見越して、粛々と業態転換を進めてきた可能性があることが分かった。

「代ゼミ死亡」って本当?

代ゼミが全国の7割の校舎を閉鎖し、希望退職者も募るというニュース。
「代ゼミがヤバい」「代ゼミショック」「代ゼミ死亡」…こんな投稿ばかりがソーシャルメディアでは目立っていた。

しかし一方で、専門家や元生徒からはこのような気になる指摘も。

2ちゃんねるでも同様の指摘があった。

26 :名刺は切らしておりまして:2014/08/23(土) 03:43:51.48 ID:Ly+0GDMB.net
代ゼミは確かこうなることを見越して 良い場所に校舎建ててたんだよね。
ホテルに改築できるようにしてあるとか聞いたことある。
 http://anago.2ch.sc/test/read.cgi/bizplus/1408731084

本当なのか確認してみたら→とっくに進んでいた!

「代ゼミ死亡説」が本当なのか調べてみたところ…驚くべきことに、代ゼミはここ10年で着々と不動産業への転換を進めていたことが分かった。

建物の再利用・用途転換例

▼都市デザインシステム(現UDS)本社
=旧・代ゼミ千駄ヶ谷校
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http://trystero.exblog.jp/7692831/

▼TKP貸会議室
=JECビル ※JEC=代ゼミ関連会社
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▼カンラホテル京都
=旧・代ゼミ京都校舎別館
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http://www.transit-web.com/issue/kimonodego/2010/10/hotel-kanra-kyoto.php

▼ホテルアンテルーム京都
=旧・代ゼミ京都校独身寮
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http://tokotokoto.com/?p=575


建て替え/跡地再利用

▼代ゼミ名古屋本館(より大きな建物に建替中)
=2016年竣工予定。23階建てだが、うち19フロアがホテル名鉄インに。
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http://www.ngk-kentiku.co.jp/architecture/others/index.html

▼代々木ヴィレッジ
=旧・代ゼミ本部の跡地に建った商業施設
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http://www.kurkku.jp/yoyogivillage/


上記の例以外にも代ゼミ校舎の用途転換は進んでいる。20〜30年前頃までの建築はホテルやオフィスビルに転換し、それ以前の古いものは建て替えになっているように見受けた。
しかも名古屋の場合は、古い校舎をより巨大な新建築に建て替えたうえで大半をホテル化するという思い切りの良さだ。

このように約30年前より最近のものは「最初からオフィスやホテルへの転換を見越している」という噂の通り、実際に建物が用途転換されていることが分かった。


出生率ピーク時に少子化を予測?代ゼミの先見性

こうした用途転換がスムーズに進んでいる理由としては、以下の3つが考えられる。

・不動産は基本、自社グループで保有(高宮学園、JECなど)
・立地は基本、駅前の一等地(土地を隣り合わせに取得し、一体再開発に備えている?ケースも)
・更にオフィス、ホテル用途に転換しやすい形状で床面積も確保できる大型ビルとして建設


こうした方針に沿って、代ゼミでは多くの校舎が約30年前に土地取得・建設されており、それより古いものは2000年代後半からより大きな建物に建て替えている。

▼2008年竣工の代ゼミタワー(代ゼミ本部)
exteriorD04

今から30年前と言えば1984年、バブルの入り口に差し掛かっている頃。2度のベビーブームを除くと出生率がピークだった頃で、少子化の危機感がまだない時代だ。

[図] 日本の出生率推移(1980年〜2012年)
03

こうした事実を見ると、「代ゼミ」経営者は遅くとも30年以上前から、少子化により予備校業態がいずれ苦しくなることを予見して、そのうえで校舎の土地取得や建設を行っていたことになる。

そして今、そのアクセルを踏んでいるわけで、ある意味予定通りの華麗な転身プランを実行しているに過ぎないのかもしれない。

http://otonanomatome.blog.jp/archives/1008110693.html

旭硝子が迷い込んだ、建築用ガラスの袋小路
社内でくすぶる現経営陣への不満
古庄 英一 :東洋経済 編集局記者 2014年08月23日

「社内はつねに非常事態。警戒警報が鳴りやまない状況だ」──。ガラス世界最大手・旭硝子の執行役員はそう漏らす。

テレビ東京系列のドキュメンタリー番組「カンブリア宮殿」に、旭硝子の石村和彦社長がやり手経営者として取り上げられた7月10日、東洋経済オンラインは旭硝子に関する第一報を配信した。40歳以上の非組合員(子会社へ出向中の社員も含む)推定約3500人を対象に、5年ぶりとなる退職勧奨を始めた、というものだ。

「工場閉鎖などの大リストラを実施した15年前に比べても、国内の先行きは厳しい。坂道を転がるように落ちた利益水準や低迷する株価がウチの厳しさを物語っている」(ある年配社員)

高止まりの国内人件費


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薄型テレビの需要拡大を追い風に、かつては4割の利益率を誇った電子事業も、家電エコポイント制度の終了を境にして利益率が急降下。

その一方で、従業員の平均給与は40歳前後で年800万円超、石村社長の年俸も1億円以上と、高水準が続いていた。高止まりする国内の総人件費を支えきれず、5年ぶりとなる大規模な人員削減を余儀なくされた。

東洋経済が入手した内部資料によると、募集受付期間は8月29日まで。例外を除き、10月20日付で退職させる。今回支給される優遇退職金は、既設の制度で支払う特別餞別(せんべつ)金に、1年分の収入相当額が上乗せされる(56歳以下の場合)。会社側は、応募人数やコスト削減効果に関する一切の公表は行わない方針だ。

今回のリストラは、部門ごとに目標を定めて、生産性が低いと経営幹部が判断した部署で重点的に実施すると見られる。その筆頭と目されるのが、東京・東上野のオフィスビルに入居する、建築用ガラス関連の事業群である。


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4~7階に旭硝子の子会社が入居する
建築用ガラスの国内市場規模は推定2000億円。旭硝子はシェア約4割を握る最大手だ。これに、シェア約3割の日本板硝子、同約2割のセントラル硝子が続くという構図となっている。

長引く建設不況の影響で、需要先であるゼネコンや不動産デベロッパーは効率最優先の姿勢で購入先を見直してきた。旭硝子と同じ三菱グループに属する三菱地所も「十数年前ならすべて旭硝子から調達してくれたが、いまは3~4割が別のブランドだ」(前出の年配社員)。

こうした中でガラス各社はここ数年、販売数量優先の営業合戦を繰り広げてきた。その結果、建築用ガラスの販売価格は下落の一途をたどっている。そこに、アベノミクスによる急激な円安進行が直撃。燃料や電気代、配送費は一段と上昇した。

最大手の旭硝子でも、建築用ガラス事業の赤字幅は年々拡大している。「カンブリア宮殿」で紹介された、全長600メートルという世界最大級のガラス一貫生産ラインを持つ鹿島工場も、消費増税前の駆け込み需要でフル生産だった2013年度ですら赤字だった。

その一方、中国など海外で生産されている外壁一体型の外装材・カーテンウォールが日本のゼネコン業界の目に留まり、ビル施工への導入が増え始めていた。大量に生産される安価な海外産ガラスとの競合にさらされ、国内産ガラスは汎用品では利益を生み出せず、省エネや低反射性能など高付加価値化で生き残りを図らざるをえなくなった。

石村社長が犯した判断ミス

こうした厳しい環境下、石村社長は十分な根回しを行わなかった結果、いくつかの判断ミスを犯している。その1つが、三菱地所の木村恵司社長(当時)から持ちかけられて即断したとうわさされる、新丸の内ビルディングへの本社移転だ。

老朽化した新有楽町ビルから2011年8月16日に移転。30~34階の超高層フロアにガラス張りの意匠性に凝ったスペースを構えた。従業員の満足度が高まっていると“移転効果”を口にする社員もいるが、「新丸ビルの賃借料が重荷になっている」との指摘もある。

石村社長の不手際を象徴するもう1つの決定が、建築用ガラスの主力子会社であるAGCグラスプロダクツを2011年4月に住宅設備の国内最大手・トステム(現LIXIL)との合弁体制に移行したことだ。

体制移行への備えが万全でないまま、事業が開始したため、顧客への不十分な説明など運営面の不手際が相次ぎ、1年間にもわたって現場が混乱。結果として、売れ筋である複層ガラスの価格統制がうまく機能せず、プロパー社員の削減や本社からの出向役員が短期間に入れ替わるといった事態を招いた。

混迷を極める現状を変えるべく、旭硝子は7月23日、突如として6年8カ月ぶりの建築用ガラス値上げを打ち出した。日本板硝子とセントラル硝子もこれに追随している。

「1000円札をガラスに張って売るような出血大サービスはやめたい。遅きに失したが、不退転で交渉に臨む」(セントラル硝子幹部)

ただ、値上げがすんなり受け入れられる可能性は低い。大手ゼネコンの調達責任者は「9月1日納品分から価格を引き上げるだと。ふざけるな」と、一方的な態度表明に怒りをあらわにする。

ゼネコンにしてみれば、ガラス価格の引き上げにより工事現場で設計の見直しを迫られる。計画段階なら、施主に建築費の上乗せを求めることはできるが、施主が簡単に建築費への転嫁を受け入れる保証はない。国内ガラス3社は、物件ごとに値上げの幅や時期を決めるといった、長期戦覚悟の交渉に入っている。

4期連続の減益は必至

抜き差しならない建築用ガラスの苦境もあって、7月31日に発表された旭硝子の2014年1~6月期(第2四半期)の連結純利益(親会社の所有者に帰属)は前年同期比81.3%のマイナスとなった。

通期でも4期連続の減益となることは必至。会社側は150億円の最終黒字(前期比7.1%の減益)を見込んでいるが、夏場以降は欧州事業の採算割れが業績の下振れ要因として浮上。国内でも人手不足の影響から、建築用ガラスの販売数量が落ち込むことが懸念される。そうなれば、この水準の利益で止まらず、減益幅が広がる可能性もある。

すでに直近2期は頻繁に会社計画を下方修正している。就任以来、石村社長が繰り返し強調してきた、「業績反転への決意」という言葉は、信用力が極度に低下してしまった。業績や株価の低迷ぶりから、在任6年半の経営手腕を疑問視する声が社内外で高まっている。


石村社長の言葉に対する信用力は低下している(撮影:梅谷秀司)
スマートフォンなどのディスプレー用特殊ガラスを成長製品と位置づけ、2012年に年商300億円以上に拡大させるとしていたが、ライバルのコーニングや日本電気硝子との競合が激しく、大幅な未達となっている。また、太陽電池用ガラスも採算が厳しく、6月末にベルギー工場を閉鎖すると決定。47億円の特損計上を発表している。

今年2月に開いた決算説明会の席上で、石村社長は「全社的な体質強化」を打ち出していた。生産性向上とコストダウンを目的とした全社横断的なプロジェクトを立ち上げ、2年間で100億円のコスト削減を積み上げるという内容だ。

しかし、それだけでは不十分との判断から、今回の緊急管理職リストラを決めた。一説には、人事部門が「リストラ実施は来期でもよい」と抵抗したものを、社長がつっぱねて強行したといううわさもある。

退任論が高まる懸念

業績が好転する兆しもなく、ジリ貧では、社内の士気低下は避けられない。そのことは石村社長もよくわかっていたのだろう。中堅・若手の組合員に対しては、今夏のボーナスは満額一発回答という“アメ”も与えている。

ただ、業績をさらに下方修正するような事態となれば、社内の中堅・若手の将来不安が増幅して、アメの効果が水泡と帰す可能性もある。実際、今年の春闘で、組合側は要求に対して未達の回答が出た場合、社長をはじめ経営陣に対して、業績悪化の責任を追及する構えを鮮明にしていた。

前任の門松正宏会長(当時)は、5年前に早期退職や給与カットを実施した際には、けじめとして代表権を返上。CEO(最高経営責任者)職を当時、社長兼COO(最高執行責任者)だった石村氏に譲った。先人に倣って石村氏も社長を今期限りで退任すべきとの声が高まるかもしれない。

http://toyokeizai.net/articles/-/46028?page=4

すき家「もうワンオペやめます」の本気度
創業32年目、初めての最終赤字見通し
又吉 龍吾 :東洋経済 編集局記者 2014年08月10日

やり方に問題があれば変える。ルールに問題があれば変えるという考え方です」。第三者委員会による報告書の提出から6日後、ゼンショーホールディングス(HD)の小川賢太郎会長兼社長は会見でこう語った。

8月6日、牛丼チェーン「すき家」を全国展開するゼンショーHDは、深夜時間帯の一人勤務体制(ワンオペ)について、9月末までに全店舗での解消に取り組むと発表した。同社が設置した第三者委員会では、接客から清掃、調理などすべてを一人でこなすワンオペについて「過酷なもの」と指摘し、「深夜時間帯における一人勤務体制の解消を早急に実現すべき」と提言。だが、委員会の報告書が公表された7月31日、事業会社ゼンショーの興津龍太郎社長は「適正な人員配置ができるように努力する」とし、具体的な方針を示していなかった(関連記事「それでも「すき家」は店を出す」)。

ワンオペを二人勤務体制に変える

その後、社内で議論を行い、「可及的速やかにやめるべきではないかという結論に至った」(小川会長)。現在、全国で約2000店あるすき家のうち、940店でワンオペが続いている。全店の解消に向けて、近隣店舗からの人のやりくりや、外国人留学生の採用強化を進める。それでも人の手当がつかない店舗は、10月1日以降、深夜時間帯(0時~5時)を中心に営業を休止する。

今回、ゼンショーHDはワンオペ解消の取り組みと併せて業績見通しの下方修正も発表している。2014年度の売上高は従来予想から128億円減の5250億円、営業利益は同78億円減の80億円まで引き下げた。この見通しは、人手不足に伴う3月以降の一時休業や、食材価格の上昇、人件費増加といった要因に加え、940店でのワンオペがひとつも解消できないというワーストシナリオに基づいたものだ。

業績見通しは保守的にしたものの、小川会長はワンオペの解消について、人のやりくりで「まずは半分。460から470店というところにはすぐに持っていけるのではないか」と会見で述べた。9月末にワンオペの解消がどこまで実現できるかが、今期の業績を左右することになる。

出店については「やめるというのも一つの判断かもしれない。だが、お客様に愛されて成長してきたことを誇りに思っている。店をガンガン出すのではなくて、必要なところには出させていただきたい」(小川会長)と、今後も続ける方針を示した。

しかし、出店計画自体は下方修正しており、当初計画は出店60・退店ゼロだったものを、人手不足や委員会からの答申も踏まえて、出店38・退店28店に見直した。これで店舗純増は10店となり、前期の71店(出店85、退店14)から出店ペースはかなり落ちる。営業利益が当初見通しから大幅に低下し、退店ゼロの計画が28店に膨らんで特別損失も発生するため、通期の最終損益は13億円の赤字に沈む見通し。実際に赤字となれば創業以来、初のことだ。

業界最安値の牛丼価格は値上げ

加えて発表されたのが、牛丼価格の値上げだ。8月27日から牛丼並盛りの価格を270円(税込み)から291円に引き上げる。3月末まで大手3社の牛丼並盛りは280円で横一線だったが、4月からは吉野家が300円に、松屋は消費増税分を転嫁した290円に改定。一方、すき家は「増税で所得が目減りする中、お値打ち感のある牛丼を提供したい」(広報室)とし、値下げという逆張りの手法を打ち出した。これは1982年の創業以来、最安値だった。

ところが、今年4~6月までに同社が仕入れる牛丼用部位の平均価格が豪州産で36%、米国産で28%も上昇したことで前提は大幅に狂った。さらに、「経営努力を続けてきたが、時代の変化に対して労働条件を改善し、お客様へのサービス水準を上げていくため、その原資となる粗利益を確保して、経営のバランスをとらないといけない」(小川会長)として、値上げに舵を切った。

小川会長は6日の会見で、ワンオペの全店解消を決めたことについて、「24時間365日、お客様に来ていただく業態という意味では、基本的に変わらない。ただ、何が何でもやるのではなく、営業時間についてはフレキシブルな運用をやる。そういう意味にいおいて(ビジネスモデルを)変更する」と語った。創業から32年で店舗数は1984店(7月末現在)まで拡大したが、2000店という大台を前にすき家の展開は大きな転換点を迎えている。

http://toyokeizai.net/articles/-/44924?display=b

深刻な職人不足 待遇見直しのラストチャンス
2014/8/19 7:00

これほどの幅で施工単価が上がると、ますます正確な見積もりができなくなる」。首都圏のオフィスビル新築工事を手掛ける大手建設会社の現場所長は頭を抱えた。手元に届いたのは、コンクリート圧送工事会社(建設現場に搬送された生コンクリートをポンプ車で圧送して流し込む会社)からの「圧送料金改定の御願い」だ。

関東地方のあるコンクリート圧送工事会社から元請けの建設会社に届いた料金改定の要望書。基本料金や圧送料単価は「建築施工単価」(経済調査会刊)の価格より5割以上高い
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関東地方のあるコンクリート圧送工事会社から元請けの建設会社に届いた料金改定の要望書。基本料金や圧送料単価は「建築施工単価」(経済調査会刊)の価格より5割以上高い
 料金表の内訳を見ると、基本料金は7万円で、圧送料金は700円/m3(立方メートル)。ちなみに、要望書が届いた時期に建築工事の見積もりに利用されていた「建築施工単価2014年冬号」(経済調査会刊)では基本料金が4万5000円で、圧送料金は450円/m3。これと比べると改定料金はどちらも5割以上高い。

 現場所長は「確かにコンクリート圧送職人は全然足りないので、単価が上がるのは想定内だったが、それにしても値上げ幅が大きい」と困惑の表情だ。

■「普通の会社になりたい」

 この値上げについて、コンクリート圧送会社の全国団体、全国コンクリート圧送事業団体連合会(全圧連)の佐藤勝彦会長はこう話す。

 「料金改定の幅は各企業が判断することだが、これは必要最低限の構造改善を進めるためのプロセスだと理解してほしい。ここ数年、圧送会社の廃業や作業員の引退が相次いだうえ、若い職人の入職はほとんどなく業界は壊滅寸前だった。この機会に何とか普通の会社になりたい」

全圧連が示している原価計算の実例。10トンのポンプ車を例にとっている(資料:「コンクリート圧送工事業経営ハンドブック」を基に日経アーキテクチュアが作成、写真:日経アーキテクチュア)
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全圧連が示している原価計算の実例。10トンのポンプ車を例にとっている(資料:「コンクリート圧送工事業経営ハンドブック」を基に日経アーキテクチュアが作成、写真:日経アーキテクチュア)
 全圧連は、経営ハンドブックを作成し、会社の経営規模やポンプ車の重量などに応じた原価計算シミュレーションを、傘下の会員に参考情報として提供している。その一例が、上のシミュレーションだ。作業員の年間給与を450万円とし、社会保険料などの法定福利費も積み上げて試算している。記事冒頭の要望書は、ほぼこれに沿った内容だ。

 佐藤会長によれば、傘下の職人の平均年収は300万円台。社会保険には未加入で、退職金制度を整備していない会社も多い。安全面でも多くの問題を抱えたままだ。ポンプ車の法定耐用年数は6年なのに15年以上使う会社が多く、老朽化によるブームの破損事故も後を絶たない。

 「賃金も労働環境もこれまでがひどすぎた。必要最低限の水準を維持することで、若い職人の定着率アップにつなげたい」(佐藤会長)

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75305470W4A800C1000000/
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